第4回ウェビナー「「感染症の人間学」をめぐる一考察:フレデリック・ケックの思考を機縁として」の開催について
2024年5月22日
日時:2024年6月22日(土)13:00~14:30
発表者:小林 徹さん(龍谷大学)
タイトル:「感染症の人間学」をめぐる一考察:フレデリック・ケックの思考を機縁として
<概要>
フレデリック・ケック(Frédéric Keck)は、現代人類学において感染症に対する措置を主題として扱っている論者の一人である。彼は、香港を中心とするアジア圏をフィールドに設定することにより、新興感染症に対する「防止(prevention)」や「予防(precaution)」の問題を「備え(preparation)」の観点から問い直し、国家的介入(司牧的テクニック)と動物との同一化(狩猟的テクニック)の間に、今日の社会における感染症との取り組み方を考え直すための手がかりを提供している。本発表では、『病を運ぶ鳥〔Avian Reservoirs: Virus Hunters and Birdwatchers in Chinese Sentinel Posts〕』(2020)に示されている彼の思考を機縁として、私たちが想い描いている(想い描くべき?)「感染症の人間学」について、哲学研究者の視点から考察することにしたい。
内容としては、以下のとおり、二〇世紀後半以降の思想史の流れの中にケックを位置づけた上で『Avian Reservoirs』の内容を読解し、そこから見えてくる今日的な人間学の在り方について考察する予定である。
1)垂直性と水平性:現象学の転回と二つの構造主義
2)現代人類学とフレデリック・ケック:構造人類学の継承について
3)感染症と人類学:動物のレベルで見ること(『Avian Reservoirs』前半の読解)
4)司牧的統治と備えの倫理:「前哨(sentinel)」「模擬(simulation)」「備蓄(stockpiling)」(『Avian Reservoirs』後半の読解)
5)まとめ:人間学と想像力
参加をご希望の方は6月20日24時までに以下のフォームからご登録ください。
アクセス用のリンクは前日までにメールでお知らせいたします。
主催:科研費(学術変革領域研究B)「感染症の人間学:COVID-19が照らし出す人間と世界の過去・現在・未来」(代表:浜田明範、課題番号:23H03792)
本ウェビナーに関するお問い合わせ先:澤野
*Zoomのみのオンライン開催で、録画の配信は行いません。